小泉宗雄・「三光太源文化研究所」のご案内

特別編(第三十八話C)2021年12月


令和三年12月吉日


スピリチュアル エピソード 特別編 第三十八話


ローム太霊がその死を哀惜された

父小泉平一の軌跡



第三十八話

平一の豊野油田開発の苦闘の歩み


その4 石油資源開発株式会社との契約の成立
      について



 昭和35年2月13日、平一は麹町九段の自由党議員宿舎簡牛凡夫の室で、自由党政調会副会長簡牛凡夫を始め麦林、北原、小島の諸氏と集合しました。
 そして、石油資源開発株式会社との交渉条件を協議し、その結果、策定した案を携えて交渉するため、簡牛凡夫が一人代表となって同社に出向き、平一をはじめとする4人は、その宿舎に留まって交渉の結果を待つことと致しました。
 1時間ほどで簡牛凡夫は宿舎に戻り、交渉が無事終わり、当社の提示した条件が全て受け入れられたとの奇跡的な成果の報告がありました。
 誠に神霊のご加護と一同喜びあって歓談し、そして4人は宿舎を後にしました。平一は飯田橋駅まで同行したのですが、これから明治神宮に参詣すると述べて諸氏と別れました。
 この日、何故急に明治神宮を参詣しようとしたのには訳がありました。それは、簡牛凡夫が交渉の為出発する時、簡牛凡夫の陰に添う様に、先程から会議に耳を傾けておられた神霊が平一には見えたからでした。
 お一人は乗天坊霊神の眷属でしたが、今お一人は明治神宮の神霊にお仕えする眷属の神霊でした。
 平一がこの神霊を見知ったのは、かつて導かれて明治神宮の幽宮に参殿し、親しく明治天皇の神霊に拝謁した折に、懇篤なる啓示に添えて霊宝二珠を賜ったその時、その霊宝を命じた天皇の神霊より受けて、恭しく平一に綬賜された神使の霊神、即ちこの自然霊がその方であることを霊感したのでありました。
 簡牛凡夫がこの交渉に出かける時には、すでに同氏にかかっていたのです。従って、今日の成果は乗天坊霊神の御力もさることながら、明治の宮の神の加護でもあり、深い御心と思われます。その様なことなので、今日の結果をご報告するために、明治神宮に参詣したのであります。
 参詣すると、いつきの神(明治天皇の神霊)と共に、思いがけなく后の宮の神霊も示現されました。
 大変に喜ばれておられるように拝されました。そして后の宮の神霊からも霊言が下されたのですが、折あしく拝殿に佇む平一の周辺は、参詣の団体でざわざわとうるさく、精神の統一が出来なくて霊言をよく聞き取ることが出来ませんでした。
 ただ、なにか優しくねぎらわれているように感じられ、その上霊歌が下賜されたような気がしました。しかし「八つかたりは」と言う言葉だけが強く印象に残っていましたが、前後の言葉は消されてしまいました。
 その様なことで、無理に霊言を頂戴しても聞き違いをしては神慮にもとる恐れがあると思って、そのままにして拝殿を退出しました。
 正門から向かって右の神門を出て、ぼんやりとしながら歩きだした途端に、玉砂利にけつまずいて、勢いに乗って横滑りにタタタッと足踏みをして前のめりのままに、お手洗にぶつかりそうになりやっと止まりました。
 体を起こして、何気なしにお手洗いの柱を見るとも無しに見た瞬間、平一は電気に打たれたような衝撃を受けました。その柱に掛けられている黒塗りの大きな板に、昭憲皇太后の御製が書かれてあったのです。

  苗うえて 八来たり穂を見るまでに
         いたづく人を思いこそやれ

 先程の霊言はこのみ歌を云われんとしてのことであろうと、平一は粛然襟を正したのでありました。

 そして昭和35年3月31日に石油資源開発株式会社との契約が成立いたしました。
 平一は4月19日に関係者一同を自宅に招いて神業祭を執り行い、以下の祭文を捧げました。

 昭和35年4月19日 神業祭 祭文

 「かけまくも畏とき三光道大神のみそなわすところ、恭しく鶴仙大神を初め奉り、ローム大霊、隼人霊神、工藤遠之郷藤嗣霊神、松尾滝龍神、妙義山乗天坊霊神、ヘルマン霊神、玉造霊神、妙開普洞霊神、言別ては坂本かな野姫霊神、並びに神業加護の諸々の霊神を。これの神床に招ぎ奉り、つつしんでみ祭をいとなみ、大前に伏して平一、申し奉ることのよしは、
 南東神界の大み光の中に、鶴仙大神の尊きみことのりもちて,仙神天仙隼人霊神、かしこくも下り給いて霊示を賜り、ここに太源石油株式会社の創立を見たり。
 かてて各々、その役の任せを命じ給いて位置を定め、以て大業の命を賜る。身に余る光栄といふべし。 
 霊縁有縁の人簡牛凡夫、遍照三光のみ光に導かれ、神業に仕え奉りて、以て力を尽くして事を運び、昭和35年3月31日、石油資源開発株式会社との間に調印ととのふ。
 これ洵に月読の御稜威にして、鶴仙大神の神徳なるも、将又、簡牛凡夫その人の滅私の至誠よくみ心に応え奉るものと言うべし。
 太源の神業こそ洵に未聞の大業と云わるるは、神、霊、幽、現に捧ぐる行證を以て、顕幽一如の大法を示され、行即ち業の大道に光を現ずるが故によるなり。
 平一、忝けなくも不肖の身をもって北神、神界の帝命を被り、行を豊野に賜ふ。これ畏くも月神の威光、鶴仙大神の神恩にして、指導守護の諸神の余光の他ならざるなり。
 今年、漸くにして秘鍵を得たり。永年、ローム大霊の高き慈光に育まれ、隼人霊神の御導きのいかばかりかは、いや深きを偲ひ、ただに大前に拝跪して、神恩無量の宏大に寵慈の尊きを仰ぎ奉るなり。
 紫風、紫光の螺をなす如く、あが五体なる麦林楢次郎,亦平一と螺をなして、賜綬の大法をよく解読し、御心にかなえり。もとより命を戴すると謂えども、これ実に行光、赤心の誠の人にして、神慮に応え奉れるなり。
 大法明解ならずして、いかで大教あらん。大教なくして、いかに大業の大道たたんや。大道ふみてこそ、栄光の完成を見るを信ずるなり。
 いよよ神慮を戴して人々共に力を合せ、以て今年、豊野の地門を開きまつりて、三光の燭台に聖油を献じ、浄明の豊の明となして、千古の神業の威光を示し、以て白羊の秘巻を紐解きゆかんとす。
 つつしんで感謝のみ祭りに仕え奉り、伏してひたすらに神助を祈り奉らんと申しまつるなり。

 昭和35年4月19日

 太源石油株式会社 代表取締役
             斎主 小泉平一
                   敬白

          取締役会長 簡牛凡夫
          取締役常務 麦林楢次郎
            同   北原猪義
          取締役   竹内栄一
          監査役   桑原時雄
            同   小泉幸雄
          顧問    小島倭夫