小泉宗雄・「三光太源文化研究所」のご案内

特別編(第四話)2017年10月


 平成29年10月吉日


スピリチュアル エピソード 特別編 第四話


ローム太霊がその死を哀惜された
父小泉平一の軌跡



第四話 「初学の師浅野和三郎と、竹内満朋の物理降霊会の始まり」


 平一は几帳面な性格で丹念に記した神霊日記を残しておりますが、残念ながら昭和14年以前のものは戦災で焼失してしまったので、柴又帝釈天での白猿との出会い以降、どの様な修行をして霊眼が開けたかは漠としております。
 それでも断片的な記録として、昭和8年28歳の時に心霊科学の研究を開始するとして以下の文章が残されております。

 「幾千万年前より地上の人間は神仏を信じてきた。今後幾万年の後にも宗教と信仰は絶えることが無いであろう。しかし今の地上の人間の大方は霊の存在を識らない。神仏を信じている人も大方は霊魂の存在を認識しない者が多い。認識と云うよりは否定と云った方が正しいかもしれない。
 人間の大方は神仏を信じていても神の存在に対する疑問を持っている。疑問を持ちながらも信仰を続けているようである。しかしながら私も今までは、霊魂の存在はばかばかしいもののように否定してきた。
 28の秋、宗教を哲学と科学を一致してこそ、はじめて宗教の真理を識るものではないだろうかと云う結論に達した。それが私をして心霊科学の研究に指を染めさせる第一歩である。
 但し、会の主意は一切の宗教、主義学説などに超越し、純然たる自由研究の立場において、人生の帰趨を明らかにすることを目的とすと言う」
 そして、浅野和三郎の東京心霊科学協会に入会して親しく教えを乞うと共に、中原祥雄、西宮仙凌、松本角之丞と4人で心霊科学協会菊川支部を立ち上げました。中原祥雄との関わりは不詳ですが、松本角之丞とは、その後石油開発事業の同志として交流し、昭和24年3月に田中昭重と云う霊能者に関する見解の違いから袂を分かつこととなりましたが、その日の記録に「彼に接して初めて心霊の門に入った」との一文があります。西宮仙凌は小泉商会の計理士でありました。
 そして同年11月13日菊川町の中原宅で、第一回の研究会として浅野和三郎氏の講座と巫女型霊媒小林淑子による降霊実験を行い、小林霊媒に憑依して背後霊となった愛息和彦霊・大和彦名命を知りました。
 そしてそれ以降、物理降霊会が開かれる迄は、第2話でお話ししたように商売を始め個人的な相談事は万小林霊媒に頼り、和彦霊から教えられたようであります。
 更に、浅野和三郎が没する前年の昭和11年に、中原氏を支部長として正式に東京心霊科学協会菊川支部を設立して理事となっております。会員の中に小田秀人、萩原真そして竹内栄一等の名が記されております。
 ポチの導きで邂逅した竹内栄一・後年の竹内満朋が小泉商会の3階に下宿を始めたのは昭和10年頃と思われ、同年15年に結婚するまで5年程居を共にしたようであります。
 そして、平一と義兄弟の杯を交わして心霊の研鑽に励み、第3話でお話ししたように菊花会の小田秀人の元で萩原真などの指導を得ると共に、ローム太霊が主支配霊に就かれて物理霊媒の力を得ました。その時期は記録されておりませんが、おおよそ昭和12年頃と思われます。
 そして、菊川支部において、物理降霊会が萩原真と竹内満朋により始められ、以降、巫女型霊媒小林淑子との関わりが途絶えたようであります。
 昭和12年に他界した浅野和三郎は、その10日祭に萩原真の物理降霊会でその姿を出現されたと伝えられておりますが、竹内満朋の物理降霊会が始まると、平一に対して「背後につく、但しこのこと他言無用」と云われ、 降霊会に出現する神霊との取り持ち等をされたようで、昭和14年8月に竹内満朋の主護霊が平一に、丁重な挨拶と共に秘印2種を賜った際も、和三郎の霊が懇篤に取り次がれたと記してあります。なお、昭和14年9月16日にはエネルギーに対する見解を語っておられます。
 竹内満朋の物理降霊会は、その理由は不詳ですが菊川の中原宅の東京心霊科学協会菊川支部から、心霊研究の同志で昭和15年に、その妹を妻に迎える日本橋の駒木氏の元を拠点が移され、更に昭和15年 1月15日に三鷹の竹内満朋の自宅へと変わりました。
 そして、三鷹での物理降霊会について、道院・紅卍会の扶?(ふうち)で「紫風苑と称すべし」との霊言が降ったとのことで、その様に命名されております。
なお、道院については、昭和15年6月23日に平一が曜鈴という道名を賜ったとの記録がありますが、どの様な関わりがあったかなどの詳細は不詳であります。
 浅野和三郎はその頃から物理降霊会に出現することが無くなったようですが、戦後も何回か平一の許に出現して、平一が託された神業成就へのエールを送った記録が残されております。
                               完