小泉宗雄・「三光太源文化研究所」のご案内

第19話2016年2月


 平成28年2月吉日


スピリチュアル エピソード 第19話

たまたま実感した“とある新興宗教のキャンペーンの霊的効果”



 それは父が他界した翌年、昭和59年5月のある日のことでした。
 三光太源会の熱心な会員の一人だったMさんが、福島から上京してきたSさんを連れて父の一周忌のお参りをしたいと訪ねてきました。
 Mさんは福島で長年小学校の教師を務め、その優しい人柄から、多くの教え子に慕われたようです。縁あって上京し、幼子を抱えて困窮する開業医の許に、後妻として嫁いで女の子を授かりましたが、やがて夫に先立たれたため教職に返り咲くと共に、二人の子供を立派に育てました。
 ふとしたことで、父と知り合ってローム太霊の教えに帰依し、竹内満朋の物理降霊会・三鷹で行われる主護霊会と、父の三光太源会には欠かさず参列しておりました。
 また、病気がちの上に生計に苦労する私の母に、何かと気配りをして下さいました。
 第9話「夭折した次兄道雄が、三度私の元に−」・「その2 初めての訪れ―心霊科学が認める霊夢とは」で記した、道雄兄が“台所を治したの”と聞いたその費用は、Mさんからの寄進でした。
 Sさんは福島の小学校の教え子で、地元で嫁いで子供が成人した後でも、Mさんを先生、先生と慕い続け、その縁(えにし)で父と知り合いました。そして、父のことをM先生の先生として尊敬して、祭礼や行事などには必ず上京し、Mさんと連れだって参列するのを常としておりました。

 当日、Mさんの娘のS子さんが、年寄二人だけでは心もとないと言って付き添ってきました。
 S子さんは、昭和30年代の大学紛争の折に、ある大学の極左グループの幹部として活動していたようです。ところが、内ゲバのために仲間から追われる身となり、同志の恋人と二人、逃避行を余儀なくされてしまいました。
 心配したMさんは、文字通り老骨に鞭打って、主護霊から教示された行法を修し続けたのです。すると、その甲斐があったのか、S子さんと同志の恋人は、無難にその活動組織から抜けることが出来ました。そして、恋人と結ばれて社会復帰を果たしたのです−。
 ところが、どの様な経緯からか、S子さんが当時急速に教勢を拡大して話題となった、新興宗教・T協会の会員となり、きっと、学生運動で挫折したエネルギーの、はけ口だったのだと思いますが、熱心な普及活動家に変身したのです。父が他界した後、何回か、私の所にも教祖の著書などを送ってきたことがあります。
 
 そのS子さんが私に向かって“小泉さん、今私たちはキャンペーンをしています。ついては、これを呑んで頂けますか”そう云って赤い液体の入った小瓶を差し出しました。
 “あー、これか” 私は、T協会がそのようなキャンペーンを行っていることを、週刊誌で読んで知っていたのです。
 “いいですよ。では私が代表して頂きましょう”それがどの様な意義があるのか分からないままに、そう言って飲み干すと、S子さんは嬉しそうに笑顔を見せたのでした−。

 その日の夜の事でした。床についてうとうとすると、突然、3人の上半身は裸で右手を曲げ、こん棒を肩に担ぐように持った屈強の男が3人、どかどかと走って来たのです。髪の毛は真っ黒で肌を赤銅色でした。
 上向きに寝ている私に、しかも漆黒の闇の中で、何故そのような姿が見えたのでしょうか? おかしいではないかと思われるかもしれませんが、不思議とそのように見えたのです。
 “ヘーこれは何だろう”その3人が私の枕元を囲みました。ところが私を見て“これは何だ、なんだ!”男達はそう叫んで、そして逃げるように、今来た方向に走り去ったのですー。  
 そこでパッと目が覚めました。“そうだったのか”そこで私は、T協会のキャンペーンの意義が理解出来たのです。
 T協会が創設されたK国の、時代の風俗を描いた資料の中で、この様な姿を見かけた記憶があります。この男達は、その教団の霊団の神霊でありましょう。赤い液体によって、それを?んだ人との間に霊的な交流ルート・霊道が開けるのです。そのルートによって、恐らくはその人の幽体に働きかけて、無意識の内に、その宗教に対する良いイメージを植え付けて信徒化を進める、その様な働きがあるのでありましょう。
 この霊達は、その様なルートで私の所に出現したところ、守護している背後の霊団の力に圧倒されて“これはとても敵わない”と思って退散した様です。
 著書に記した様に、「全ての宗教はその存在意義がある」と言うのが、私の宗教観でありますが、現実には宗教の形式を踏みながら、教義の中に邪説を混入させたり、無謀な手段を使って教勢拡大に走る等で、邪教化する宗教があります。
 この宗教のキャンペーンのやり方は、無意識の中でマインドコントロールをすることを目的としており、許されないと思ってお伝えする次第です。
                                完