小泉宗雄・「三光太源文化研究所」のご案内

第25話2016年8月


 平成28年8月吉日


スピリチュアル エピソード 第25話

私の幽体離脱の体験について



第一話 竹内満朋から教えられた

         幽体離脱の方法について


 30代の終りの頃から、時折、寝しなに人の気配がして、その姿は見えないのですが、一人が寝床に横たわっている私の両足の裏を手で握り、もう一人が私の両肩を持ち上げて、身体を空中に引き上げる、その様なことがありました。そして何回かに一回、うまく行くと私の身体は垂直に浮揚して、そのままあたりをふわふわ動き回るのです。両足裏を握ったその指がプリンプリンで、まるで猫の足の裏の様でした。その感覚は何十年たった今でも思い出されます。
 竹内満朋師にそのことを話したところ、「宗雄君こうしたまえ」と云って次のように教えてくれました。
 「床に入ったら両足をそろえて踵を併せる。両手の親指と人差し指で円を創って臍を囲む。そして「旡空無光真奇力存」の真言を小さな声で唱え続ける」そう云う行法でした。
 その行法を真面目にやりだしたところ、極まれに、目の前にキラキラ光が現れ、それまでの様に人の手で引き上げられるのではなく、ひとりでに体が抜け出して夜空を飛んで、高い建物にたどり着くのです。隣の建物に行きたいなと思うと、独りでにスーッと体が動いてその場所に行けるのです。
 そう云えば一、二度、古い石造りの建物が並んでいる夜の街に行ったことがありました。しかし、残念ながら誰かにお目に掛ってお話をする、その様な体験はありませんでした。


第二話 出現した「さいはくふくさい霊神」

         と、教えられた幽体離脱の呪文


 昭和57年に父が他界した翌々年、昭和59年2月8日のことです。その頃は比較的、と云っても10回に1回ぐらいですがそのような行法をして、其れも一向に現象が起こらないので「今日もダメかな」とあきらめかける、するとキラっと光が現れるのでした。それは嬉しいものでした。
そこで寝る前に主護霊に「私の幽体離脱を助けて下さっている神様はどなたですか」と尋ねてみました。
 すると、うとうとした半覚半睡の中でふと見ると、私の寝床の左手に頭から白い衣を被った、観世音菩薩の様な方が後ろ向きに座っていたのです。お名前を教えて下さいとお願いすると「さいはくふくさいだ」と云われました。そして、幽体離脱の呪文を教えてくれたのです。
 私は慌てて無理やり目を覚ましました。と云うのは、以前やはりそのマントラを夢で教えられたことがあり、あまり簡単なことなので、そのまま寝てしまったところ、目が覚めてどうしても思い出せず大変後悔したことがありました。だから、無理矢理に目を覚まして、そのお名前とマントラをメモしたのでした。
 そして、早速「さいはくふくさい霊神」のお祭りをしたのです。すると二、三日たって、寝しなに「この前はどうも−」と云って、私の額を誰かが指ではじいたのです。
 どうもお祭りに対するご挨拶の様です。「えらく気さくな神様だなー」そう思ってはっと気が付いたのです。「はは−、これは親父が化けているんだ」と。
 父は家族や門下生の体調が悪い時には、人形で払うことを常としておりました。その際、まず対面して祓い、そして後ろ向きにさせて祓い、最後に又身体を対面に戻して最後の祓いをするのが常でした。その際、身体の向きを元に戻すようにとの合図に、背中を指でぽんと弾くのでした。正しくその時の感触なのです−。
 その月の三鷹の 降霊会でローム太霊に「さいはくふくさいとはどのような字を当てればよろしいのでしょうか」をお尋ねしたところ、「次回までに調べておく」とのお言葉でした。ところが、数日後、竹内満朋師が体調を崩して入院し、以降、降霊会は2度と開かれることがありませんでした。


第三話 幽体離脱が出来なくなって

      しまった理由


 仕事の重圧から夜の飲酒の量が増え、つい寝しなの幽体離脱の行法が怠りがちになりました。そして起業し、何とか軌道に乗り出した平成3〜4年のある日の事でした。
 会場アンケートを終えた帰り道に、立会って頂いたクライアントのクリエータのHさんと会食した時のことです。Hさんは、私のスピリチュアルな世界のことをご存じだったので、つい幽体離脱の話になりました。そして、乞われるままに、その幽体離脱の呪文を教えてあげました。
 ところが、それから一向に幽体離脱の現象が起こらないのです。「おかしいな」、その理由が判ったのは大分後の事でした。父の残した資料を整理していたところ、「神霊から特に教えられた呪文は、人に教えると力を失ってしまう」との記録を目にしました。しまったと思っても後の祭りでした。それでも、きっとその様な決まりにも時効があると信じて、今でも時々試みております。
                                                       完