小泉宗雄・「三光太源文化研究所」のご案内

第32話2017年5月


 平成29年5月吉日


スピリチュアル エピソード 第32話


清田益章氏がテレビ番組終了直後に見せた超常現象



 それは平成5年6月24日(木)の深夜の事でした。当時、テレビ朝日に「マグニチュードテン」と云う深夜のバラエティ−番組があり、そのまんま東やル―大柴等が日替わりでキャスターを務めていました。
その番組で漫画家のつのだじろう君が、スピリチュアルの世界の知己を集めた「つのだじろうと神秘な仲間たち」と言う題名のトーク番組をやることになり、私に出演して竹内満朋の物理降霊会の話をして欲しいとの依頼がありました。
 他ならない彼の頼みとあっては断るわけにいきません。一つだけ心配だったのは、当時私は会社を始めて5年目、昼夜兼行で仕事に励んでおり、そのためか日中時々睡魔に襲われ、思わずうとうとすることがあり閉口していました。深夜番組なので居眠りでもしたら大変だと、眠気覚ましのアンプルをポケットに忍ばせて行きました。
 六本木のテレビ朝日の地下スタジオにたどり着くと、スタジオにはワイドショーで見慣れた細長い半円形のテーブルがあり、つのだ君が中央に座り左側に私と女優の斎藤満喜子さん、右側につのだ君が懇意にしている精神霊能者の西塔宸ウんと超能力者清田益章氏が並びました。 清田氏の前にはポラロイドカメラやスプーン等があれこれ置かれていました。
はじめにつのだじろう君とその作品の、次いでゲスト一人一人の紹介がありました。因みに私の肩書は降霊術研究家、当日のキャスターは梶原しげるさんと森下佳さんでした。
 それから、「真夜中のラブレター」と「うしろの百太郎」のアニメ番組が流されて、キャスターとつのだじろう君、西塔宸ウん、清田益章さんとのやり取りがあり、時折私にも話が振られました。
 目の前にテレビのモニターが置いてあり、そのモニターを通じてキャスターから合図があると、カメラが自分の方に向けられるのでおしゃべりをします。それ以外の時間は肩の力を抜いていられます。
心配していた居眠りは、それでも緊張していたせいでしょうか、その上時折メークさんが来て、カメラ映りを良くするために、白粉の様なものを顔にパタパタ塗り付けるので、アンプルのお世話にならずに済みました。
 最後にローム太霊の物理降霊会の事に話題が移り、私にカメラが振られたので、物理霊媒の特長と竹内満朋の紹介を、そしてローム太霊の物理降霊会の有様の説明をしました。
ローム太霊の物理降霊会は、部屋の中にカーテンでキャビネットを造って椅子を置き,その前にボール紙で作ったメガホンを置いた机を用意します。物理霊媒は椅子に腰かけてトリックが出来ないように手足を紐で椅子に縛り、その上、口にサイダーを含んで手拭いでマスクをするのです。そして、照明を消して審(さ)神者(にわ)が祝詞を奏上し、暫くたつとローム太霊から「レコード〜」と独特のイントネーションでの声がかかります。レコードは物理霊媒が好む曲で、竹内満朋の場合はトロイメライに決まっておりました。数分後、机の上に置かれたメガホンがするすると空中に浮揚し、そのメガホンからローム太霊の挨拶があり、続いて参加者一人一人に各人の主護霊や主支配霊から霊言が垂示されます−。
 キャスターから、その有様をスタジオで−との要請がありましたので、斎藤満喜子さんを竹内満朋の見立ててその再現をしました。
 そして私の持ち分は無事終了したのですが、一方、清田益章氏の机の上のスプーンもカメラにも何の現象も起きません、つのだ君は清田氏にそれとなく目配せするのですが清田氏は何も言わないのです。そして、番組が終了してしまいました。
キャスターが「皆さんご苦労様でした」そう云った時、スタジオの電気が一瞬消えてしまいました。「えー」その時清田氏は「やった、やった」そう云って両手を羽の様にひらひらさせながら、一人スタジオから走り去って行きました。
 番組が終わった直後に、清田氏はその超能力でスタジオの電源のヒューズを飛ばすパフォーマンスを見せて、一人で満足したのでした。
                                完