小泉宗雄・「三光太源文化研究所」のご案内
令和五年十二月吉日
スピリチュアル エピソード 特別編 第四十四話
第四十四話
三光太源会で平一が、門下に教え諭していた
ことはー
その6 神霊界の実相「日仙界参行について」
この秘事を何時講義したのか、その記録が薄れてしまって不詳ですが、平一は三光太源の斎庭において、日仙界に参行した時の体験を以下の様に講義しております。
『昭和40年3月23日火神三十六神の空火の行中の事である。思いがけなくも日仙界に入ることを許される。
日仙界とは、火神三十六神を支配し給う日の大神(太陽神)オオヒルメムチのしろし召す日界(太陽)に属する仙界であって、日神に仕える神仙界である。
此処の神仙達は、あらゆる火、陽、エネルギー等を操作され、又それらの現象やそのものを自在にする妖精又は奇鬼神等を支配されている。この界は東現にあって空海である。ここに入るには、空火の幾関門がある。それらの石門を通り抜けて、最後に日界に属する海仙界と思われる熱海の関門がある。
この大海の外観は現界の海水と一つも変わらない。ところが一度手を触れると、手そのものが溶解してしまう様な熱湯の海水である。然し熱湯そのものではない。別に湯気一つ立っていないし、普通の海水と同じである。磯辺にはどうどうと大波が打ち上げている。どうやら、この関所にも応えることが出来て、初めて日仙界に入ることを許された。
私が導かれたのは、この界の日神を斎祭る大宮殿の内部にある火神の宮殿の一つであった。私はその火神の宮殿を拝んだ時。ただ、息をのんで立ち竦んだ。
それはあまりに荘厳にして巨大、巨大にして怪奇、怪奇にして神秘、神秘にして森厳、森厳にして華麗、華麗にして幽玄そのものであったからである。これを筆舌に表現することは至難である。私のスケッチ*は、その片鱗でも伝えておこうとしたものであるが、実相の片鱗さえ現すことは完全に不可能である。ただ、神威を汚すに非ざるやと恐れるばかりである。宮殿の全容を表現する言葉を知らない。その広大の規模は、無限の彼方に消えているとしか言いようが無いのである。
宮殿の中は内郭と外郭に別れ、私が導かれたのは内郭で、巨大な建造物群が天を靡いている中の一つの宮殿であるが、現界の建造物の常識を以てしては、計りようも無いものである。
人面獣身の巨像の上に、雪白の円柱をめぐらした円型の塔があって、その上に又塔が乗って、その先端に目も眩む宝光玉が置かれているのである。
かつ又、獣身宮の側面には、巨大な人面そのものが小宮殿をなして、幾面が連なっている。これを前殿としてその後ろには、前殿よりも巨大な、しかも何とも形容の出来ない、恐らくは神界にある、何かの形を造形したものと思われる建造物である。これまた、雪白の玉柱をめぐらせた塔が乗っている。
しかも、驚くべきことは、これらの建造物は外面の全部が黄金で覆われ、ただ宮殿の玄関の玉階と、塔の玉柱群のみ、鏡の様に磨かれた雪白の玉石で出来ている。まるで、黄金そのものの、巨塔を彫りあげた様にも思われる。
しかも私が息をのんで立ち竦んだのは、この人面獣身の宮殿そのものが、正に生きて今にも揺るぎ出さんばかりの、真に迫った荘厳、神秘の物凄さに打たれたからである。
山とも思われるこれ等黄金の宮殿群は、あたかも南国の空の様な紺碧の天を靡かしてそびえ、幽玄荘厳の?光を発した炎を自光しているのである。
私はこの火神殿に昇殿を許されないで、中庭に導かれた。市松模様の巨大な石板が敷きつめられた広大なものである。その中央の土台は、真っ白な大理石かと思われる石に、何か一面に浮彫の彫刻がほどこされている、円型、無蓋の壇の如きものがある。高さは十メートルもあろうが、四方に玉階があり、檀上はかなり広く鏡の如く磨かれた玉座であった。壇縁には四方に16体の奇鬼神の黄金像が立ち並べられているが、これまた生けるかと思われるばかりである。
玉座の中央に緋の円形の絨毯があって、そこに座を賜り儀式を賜ったのである。鶴簪月輪冠の宝冠を正し、白衣の腰に赫燦と霊光を放つ十字剣を佩けて座にひれ伏し、日神に祈りを捧げて北神開門の力を願った。
獅子王の力というものを下賜された。偏に天照大日霊貴の広大無量の恩慈であり、辱ない神寵である。
今年頭、ローム大霊より義弟栄一の**術を通して天筆を頂戴した。一つには「聖無徳」と示され、一つには「萬龍」と賜った。前者は、聖には徳が無いのではなく、徳を考えて徳を施すというものでは無い。徳というものを超越したものであるの意であり、後者に於けるものは、四天におわします八百萬の神力を萬龍になぞらえ、今年その萬龍の神力を得よとの大霊の御心であると、主護霊工藤霊神は垂示されたが、我が出生の秘はともかくとして、人間そのものの力が如何あろうとも、最高神界である北神に昇天して、北神神界の神門を開くということは絶対に不可能である。
東現八百萬、南幽、西霊の八百萬、北神の八百萬、即ちこの四天の八百萬の神々の神力無くして、決して成し得る所ではないのであろう。
今日賜った儀式の森厳は記することを許されないが、日の大神の神恩である獅子王の力こそ、畏こけれど東現の萬龍に於ける日神の神力の示現と拝されたのである。
3月27日三更の行に際して再び召され、この日初めて昇殿を許された。獅子王の力を捧持し、十字の神剣を笏として玉階を昇ったのである。』
完
*この記録の最後に、「日仙界秘図 火神宮殿」として、全身から焔を挙げた巨大な獅子王の、凄まじい形相が鉛筆で描かれております。
**義弟栄一の術とは、毎年1月に行われる「天筆」(自動書記)の事であります。
天筆は毎年1月15日の昼間、紫光会石野芳子宅でおこなわれました。
竹内満朋と天筆を希望する人が対面して座り、両者の間に色紙を置きます。そして、真ん中に墨を含ませた筆を括り付けた30センチほどの竹の両端を、それぞれが右手で握ります。
そして、竹内満朋が祈りを捧げると、ローム大霊又は隼人霊神が降られて、その御力で筆が一人でに動いて、色紙に霊言・霊示や霊画を描きます。私は何回か天筆を拝綬しましたが、握りしめた竹を動かすその力の強さに、いつも驚かされておりました。
なお、その霊言、啓示、霊画の解釈は、平一の門下には平一が個別に、ケースによっては三光太源の斎庭で講義しておりました。